もくじ
「50歳でFIREできたら人生が変わる」
40代後半や50代に差し掛かると、「このまま定年まで働き続けるのだろうか」「もっと自由に生きる道はないのか」と考えたくなる瞬間が増えてきます。
そんな中で注目されているのが FIRE(Financial Independence, Retire Early)=経済的自立と早期リタイアです。
でも気になるのは「一体いくらあればFIREできるのか?」という現実的な問題。
今回は、50歳でFIREを実現するにはどれくらいの資産が必要か、そしてより手の届きやすい“サイドFIRE”という選択肢について、シミュレーションを交えながら解説していきます。
まずはFIREの基本と種類を整理しよう
FIREにはいくつかのスタイルがありますが、ここでは次の2つに注目します。
● 完全FIRE
働かず、資産の運用益だけで生活するスタイル。
資産がすべての生活費をカバーする必要があるため、多額の資産が必要です。
● サイドFIRE
資産からの運用益に加えて、パートタイムやフリーランスなどで一部を補うスタイル。
生活費の50〜70%を資産でまかない、残りは軽い労働で稼ぐことで、必要な資産を大きく減らせます。
「完全FIRE」は理想ですが、現実的には“サイドFIRE”の方がハードルが低く、柔軟性も高いのが特徴です。
50歳でFIREするために必要な資産額は?
では実際、50歳でリタイアする場合、どれくらいの生活費が必要なのでしょうか。
● 想定:85歳まで生きるとすると
退職後の人生は35年間。
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月の生活費:20万円
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年間生活費:240万円
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35年分:240万円 × 35年 = 8,400万円
これが完全FIREで生活費をすべて自己資金でまかなう場合のざっくりした試算です。
ただし、多くの人は投資で資産を運用しながら、徐々に取り崩す形になります。
● 「4%ルール」で考えるとどうなる?
FIRE界隈でよく使われる考え方に「4%ルール」があります。
これは、年間生活費の25倍の資産があれば、資産を減らさずに生活できるというシンプルなルールです。
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年間生活費:240万円
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240万円 ÷ 0.04 = 6,000万円
つまり、資産6,000万円以上あれば、50歳で完全FIREすることが可能とされます。
サイドFIREなら必要資産はもっと少なくてOK
完全FIREは夢のある数字ですが、今から6,000万円を貯めるのは簡単ではありません。
そこで注目したいのが、サイドFIREという現実的な選択肢です。
● 生活費の一部を軽い労働で補う想定
たとえば、月20万円の生活費のうち、
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月10万円を資産からの運用益でまかない
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残りの月10万円をパート・副業・年金などで補う
このようなバランスで生活する場合、必要な資産は次のように計算できます。
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年間:10万円 × 12ヶ月 = 120万円
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120万円 ÷ 0.04 = 3,000万円
つまり、3,000万円の資産があればサイドFIREが可能という試算になります。
これなら、頑張れば現実的に到達できそうだと感じる人も多いのではないでしょうか。
50歳までに3,000万円をつくるには?
例えば45歳からFIREに向けて動き出したとして、5年間で3,000万円を貯めるにはどんな戦略が必要か。
● 貯金だけで貯める場合
毎月50万円以上の貯金が必要になり、かなり難易度は高め。
● 投資も組み合わせる場合
たとえば、次のような組み合わせを考えてみましょう。
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毎月25万円を積立(5年間で1,500万円)
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年利5%で運用しながら、まとまった資金を作る
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不要な支出を大幅に見直し、投資に回す原資を確保する
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ボーナスや副業収入をすべて貯蓄・運用に回す
このように、貯金・投資・支出の見直しを掛け合わせることで達成の可能性がぐっと高まります。
FIREの現実:生活スタイルを見直す視点も必要
50歳でFIREを実現するには、生活費そのものを見直すことも重要なポイントになります。
● Lean FIREを意識する
“Lean FIRE”とは、生活費を極限まで抑えたミニマルな暮らしでFIREを実現する考え方。
地方移住や住居費の削減、シンプルライフを追求することで、必要な資産も少なくて済みます。
“贅沢なFIRE”ではなく、自由な時間と最低限の暮らしを両立するスタイルを選ぶのも、非常に現実的な選択です。
まとめ|完全FIREより“サイドFIRE”を現実に変えよう
FIREには夢がありますが、それと同時にしっかりとした数字と戦略も必要です。
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50歳で完全FIREを目指すなら、6,000万円以上の資産が目安
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サイドFIREなら、3,000万円前後でも実現可能
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資産形成には「貯金+投資+支出見直し」の組み合わせがカギ
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無理なく働ける環境やスキルを持っておくと、FIRE後も安心
人生の後半戦をどう生きるか。
それを自分の意思で選ぶためにも、自分に合ったFIREスタイルを見つけることが大切です。
焦らず、でも諦めずに。
あなたのFIREプラン、今からでも間に合います。