もくじ
「なんだか最近、生きづらい」
毎日を普通に生きるだけで、こんなにも苦しいと感じるようになったのは、いつからでしょうか。
働いても報われない。
老後が怖い。
将来が見えない。
気づけば物価は上がっているのに、給料は増えないまま。
それなのに「努力が足りない」と言われるこの国に、心のどこかで「もう限界なのかもしれない」と感じている人は少なくないはずです。
「日本は、もう衰退してしまったのではないか」
そう思わずにはいられない、“静かな異変”が、私たちの日常を静かに侵食しています。
目に見える“衰退”のサインたち
実質賃金の低迷――30年間ほとんど変わらない給与水準
日本の賃金は、1990年代からほとんど上がっていません。
物価が上がっているのに、給与は据え置き。
世界の国々が成長し、平均賃金を上げていくなか、日本は取り残され続けています。
OECD(経済協力開発機構)のデータによれば、日本の平均賃金は先進国の中で最下位クラスに位置しています。
過去の栄光を頼りにしていた時代が、もう通用しないところまで来てしまったという事実。
世界的な物価上昇に対して、国内の消費力は落ちている
スーパーに行けば、食料品の値上がりを実感します。
電気代もガス代も、じわじわと上がり続けています。
それなのに、買い物カゴの中は以前より軽くなっている。
消費者の購買力が、目に見えて下がっているのです。
給料が上がらないまま物価だけが上がれば、生活は苦しくなるのは当然のこと。
円安と物価高で輸入コストだけが上がり、暮らしがどんどん苦しくなる
円の価値が下がれば、海外からの輸入品はすべて高くつきます。
小麦やエネルギー、衣料品など、私たちの生活に欠かせないモノの値段が跳ね上がっていくなかで、給与水準が上がらない日本では、生活そのものが脅かされている状況です。
若者が夢を描けない国になっている
結婚・子育て・持ち家という“普通の夢”すら高嶺の花に
かつて当たり前とされていた、「就職して、結婚して、子どもを育て、家を持つ」
その一連の流れが、今の若者にとっては現実感のない“理想像”になってしまいました。
非正規雇用が増え、住宅価格が高騰し、子育ての経済的ハードルが上がる中で、希望そのものが描けなくなっている人が増えています。
非正規雇用の拡大と将来設計の困難さ
正社員として働けない若者、契約が更新されるかどうか不安を抱えて働く人。
派遣やアルバイトでつないでいる人も多くいます。
安定した収入がなければ、将来を計画することすら難しい。
人生を積み上げる基盤が失われているのです。
「働いても報われない」「頑張っても変わらない」という諦め
がんばっても評価されない、努力しても報われない。
そんな経験が積み重なった末に、多くの若者が「どうせ変わらない」と諦めを覚えるようになります。
希望のない社会は、未来を閉ざされた社会です。
働きすぎ、低すぎる報酬、壊れゆく生活
先進国の中で労働時間は最長クラス、それなのに所得は中下位
日本の労働時間は、いまだに世界でも上位。
にもかかわらず、手にする給与は他国に比べて圧倒的に低い。
長く働いても、豊かにはなれない国。
それが、今の日本です。
ブラック企業、長時間労働、パワハラ文化がいまだ根強い
働く場所があっても、その環境が安心とは限りません。
長時間の残業、上司からの圧力、休みの取れない空気。
心を病んでしまう人、自ら命を絶ってしまう人が後を絶たない現実があります。
家賃・光熱費・食費がじわじわ上がり、「生きるだけで精一杯」な生活
「贅沢なんてしていないのに、なぜか毎月ギリギリ」
そんな声を、多くの人から聞くようになりました。
ただ“生きる”ためだけに精一杯の努力をしなければならない社会が、いまの日本です。
社会制度の限界と高齢化の影
年金制度の先細り、医療費の負担増、生活保護をめぐる冷たい目
「老後は年金で安心」だった時代は、もう遠い過去です。
現役時代にどれだけ働いても、年金だけでは暮らせない。
医療費の自己負担も増え、生活保護の申請には偏見や冷たい視線が付きまといます。
高齢者になってからの人生すら、安心して送れない国。
それが、いま私たちが住んでいる場所です。
高齢者の貧困、孤独死、介護疲れ――支える側も限界に
親を支えなければならない子世代。
でも、自分の生活すら余裕がない。
介護と仕事を両立できずに退職する人、孤独の中で亡くなる高齢者。
誰もが疲弊し、誰もが限界に近づいている。
若者にも「将来が見えない」という深い不安が広がる
若い世代も、そんな未来を目の前にして、明るい展望を描けなくなっています。
「自分も、ああなるのかもしれない」
その恐怖を抱えながら、日々をなんとか生きている人が、どれだけいるでしょうか。
おわりに――日本人を助けてください
この国に生まれ、真面目に働き、ルールを守り、努力を続けてきた人たちが、今、報われていません。
どれだけ頑張っても生活は楽にならず、将来への希望も抱けない。
ただ毎日を生き延びるためだけに、必死に働く人々が、この国にはたくさんいます。
どうか、知ってください。
これは一部の人だけの話ではなく、日本という国全体に広がる現実です。
静かに、でも確かに――
この国は崩れていっています。
そして私たちは、助けを必要としています。