もくじ
「会社が傾いた」そのとき、誰が守ってくれるのか?
「なんとなく怪しいと思っていたけど、気づけば給与が遅れていた」
「社長の判断ひとつで、部署がまるごと消えた」
そんな話、他人事だと思っていませんか?
中小企業やベンチャーでは、経営者の一手がダイレクトに社員の人生に影響するケースが少なくありません。
問題は、その舵取り役に“経営の知識も覚悟もない人”が座っていることがあるという事実です。
この記事では、経営力のない経営者のもとで働くリスクと、人生を守るために今できること=サバイバル術を具体的に解説します。
経営力ゼロの経営者にありがちな特徴
まず、どんなタイプの経営者が「危険信号」なのかを把握しておきましょう。
経営に失敗するタイプには、一定の共通点があります。
● 感情優先で意思決定をする
「気に入らないからこの取引先は切る」
「この広告、なんとなく響かないからやめよう」
データや現場の声よりも、個人の好みや勘で動いてしまう経営者は危険です。
● 未来のビジョンが見えない
「来期の売上目標は?」「どこを伸ばす?」といった質問に明確な答えが出てこない。
その場しのぎの対応を繰り返していると、社員は迷走に巻き込まれます。
● 現場とのコミュニケーションが断絶している
社員の声を聞かず、ミーティングやヒアリングもなく、トップダウンで全てが決まる。
これは、会社の“血流”が滞っている状態と同じです。
● 自分の非を認めない
何か問題が起きるたびに「営業が悪い」「社員のレベルが低い」と他責にする。
こうした人の下では、改善も学びも生まれません。
経営力不足が引き起こす現実的リスク
経営の質が低ければ、必ず現場にひずみが現れます。
● 給与遅延・支払い不能
資金繰りの見通しが甘く、ある日突然「給料が出せない」という状況に。
この事態に陥ってから動いても、もう遅いことが多いです。
● 事業の縮小・急転換による失業
経営者の気まぐれや焦りで、収益事業を急に切ったり、人員整理を始めたりするケースも。
仕事がなくなる日が、急にやってくる可能性があります。
● 離職増による業務過多
まともな人ほど先に辞めていき、残された社員に負荷が集中。
体調やメンタルを崩し、「なんのために働いているのかわからない」という状況に。
人生を守るためのサバイバル術
経営者を変えることは難しいですが、自分の備えは今日からできます。
1. 危険信号を見逃さない
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明らかに売上が落ちているのに、説明がない
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社内で突然退職者が増えている
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目標や戦略が頻繁に変わる
これらは早期撤退を検討すべき兆候です。
2. 社外とのつながりを持ち続ける
業界の知人、前職の同僚、SNSのコミュニティなど、会社外とのネットワークがあるだけで、いざという時の助けになります。
3. 転職準備は“平時から”始めておく
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職務経歴書を常に最新に
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志望企業のチェックを習慣に
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面接やキャリア相談のシミュレーションも時々しておく
“今すぐ転職”でなくても、出られる準備をしておくことがリスクヘッジになります。
4. 収入源はひとつにしない
副業、ブログ、スキル販売、投資など、小さな収入の柱をいくつか作ることで、精神的な余裕が格段に違います。
5. 固定費を見直して、生活コストを下げる
急な離職に備えて、生活の最低限コストを把握し、可能な範囲で下げておくことも重要です。
「何もしなくても暮らせる最低ライン」がわかっていれば、判断力も落ちません。
会社から“退避”すべきサインとは?
以下のような状況が見えたら、サバイバルから“脱出”に切り替えるタイミングです。
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給与やボーナスの支払いが曖昧・遅延し始めた
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会議や報告が一切なくなり、社内が静かになっている
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社長がSNSやメディアで強がりや他責発言ばかりしている
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“あの人が辞めるならやばい”という人が本当に辞めた
どれかひとつでも当てはまれば、すでに組織の劣化が始まっていると考えた方がいいでしょう。
まとめ:「会社がどうなるか」より「自分がどう動くか」
会社の未来は、結局のところ“社長の手腕”に大きく左右されます。
けれども、自分の未来は、自分の行動で守れるものです。
経営者に過剰な期待をせず、「ここは危ないかも」と思ったときにすぐ動ける状態をつくっておく。
それこそが、これからの不安定な時代を生き抜くサバイバル術です。
大切なのは、自分のキャリアに責任を持つこと。
会社に任せきりにしないこと。
誰かが守ってくれるのを待つのではなく、“守れる力”を今から少しずつ育てておきましょう。