もくじ
逆日歩とは何か、初心者こそ知っておきたい基礎知識
「逆日歩とは?」——株式投資や信用取引を始めたばかりの人が、まずつまずきやすい言葉のひとつです。
ネットで調べても「制度信用」「貸借銘柄」など難しい用語ばかりで混乱した経験はありませんか?
この記事では、逆日歩の基本的な仕組みや発生する理由、投資における注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。
逆日歩とは何か?
まず、「逆日歩(ぎゃくひぶ)」とは、信用取引で株を“売る側”が負担する可能性がある追加コストのことです。
もう少し正確に言えば、逆日歩とは以下のような状況で発生します。
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投資家が信用取引で株を売る(空売り)ために株券を借りる
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その株の貸し手が不足して、証券金融会社が市場から株を調達
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その調達コストが「逆日歩」として売り方に請求される
つまり、株を借りたい人が多すぎる=需要過多になると、コストが増えて、逆日歩が発生します。
逆日歩が発生する仕組み
「なぜ逆日歩が発生するのか?」その流れを簡単に説明しましょう。
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投資家が制度信用取引で株を空売り(売建て)
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株券の需要が高まると、「証券金融会社(日証金など)」が貸し出せる株を確保できなくなる
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不足した株券を市場から調達
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そのコストを空売りしている投資家に「逆日歩」として請求
このように、逆日歩は需給バランスの偏りから発生する追加料金なのです。
逆日歩が発生する典型的なケース
1. 人気銘柄に売り注文が集中したとき
急騰した銘柄や話題の成長株に「下がる」と見た投資家の空売りが殺到するケースです。
例:業績悪化が報じられた企業への空売り集中 → 逆日歩発生
2. 株主優待クロス取引の時期
優待目的で「買いと売りを同時に建てる」クロス取引が多発する権利付き最終日付近は、特に逆日歩の発生リスクが高まります。
3. 出来高が少ない銘柄
発行株数が少なく、流通量が限定されている銘柄は、少しの売り需要でも株券が不足しやすく、逆日歩がつきやすい傾向があります。
逆日歩の注意点とリスク
✅ 逆日歩は予測不能なリスク
「必ず発生するわけではない」ものの、いつどの銘柄で発生するかを事前に正確に読むのは困難です。
✅ 利益が逆日歩で吹き飛ぶこともある
たとえば、空売りで2万円の利益が出ていたのに、3日間の逆日歩で1万8,000円引かれてしまった――ということも実際にあります。
特に株主優待クロス取引では、得られる優待価値より逆日歩のコストが上回る場合も。
逆日歩を避ける・理解するための工夫
信用取引でのリスクを軽減するには、情報収集と管理意識が重要です。
1. 貸借銘柄と制度信用/一般信用の違いを知る
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制度信用取引:逆日歩のリスクあり
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一般信用取引:逆日歩が原則発生しないが、貸株料は固定でやや高め
取引前に、どちらの枠で売建しているかを確認しましょう。
2. 証券会社の「逆日歩実績」を確認
証券会社や日証金が発表する逆日歩一覧で、過去にどれくらい発生したかを確認できます。
→ 特定の銘柄が頻繁に逆日歩を出している場合は注意。
3. 保有期間をできるだけ短くする
逆日歩は1日単位で発生します。
長く持ちすぎず、短期でのポジション調整を意識するだけでもリスク軽減になります。
FAQ
Q1:逆日歩は必ず発生しますか?
A:いいえ。
逆日歩とは、信用取引で需給が逼迫した場合にのみ発生する追加コストです。常にかかるものではありません。
Q2:逆日歩はいくらくらいかかりますか?
A:銘柄や状況によって異なります。
数円〜数百円が一般的ですが、一部の人気銘柄では1,000円以上の逆日歩が発生することもあります。
Q3:逆日歩があると投資は危険ですか?
A:危険ではありませんが、知識が必要です。
逆日歩を理解せずに信用売りを続けると、利益が削られるだけでなく、予期せぬ損失につながるリスクがあります。
まとめ
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逆日歩とは、信用取引において株券不足が発生した際に売り方が負担する追加コストです。
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発生は不定期かつ不確定であり、リスク管理が不可欠です。
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投資初心者こそ、信用取引に入る前に逆日歩の仕組みと注意点を理解しておくべきです。
株式投資は、知識と準備がものを言う世界。
信用取引を始める前に、こうしたリスクも冷静に学び、判断する力を身につけていきましょう。