もくじ
投資で生活費をまかなう時代へ
物価高、将来の年金不安、医療費や介護費用の増加……。これからの時代、「老後は年金だけで暮らす」というのは、もはや現実的とは言いづらくなってきましたよね。
そんな中で注目されているのが、「投資信託で資産を作り、その資産から毎月の生活費を引き出す」という新しいライフプランです。特に人気なのが、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称「オルカン」です。
この記事では、
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まず5年間で資産をしっかり作り、
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その後は毎月10万円を資産から引き出しながら暮らしていく
という現実的なシミュレーションを、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。
ステップ1:資産形成フェーズ 〜まずは“仕込み期間”〜
■ 毎月30万円、5年間積立てたらいくらになる?
まずは資産形成期間です。
ここでは、「毎月30万円をeMAXIS Slim オールカントリーに積み立てる」という前提で計画を立ててみましょう。
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積立期間:5年間(60ヶ月)
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毎月の積立額:30万円
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総積立額:1,800万円
これに年利3〜5%で運用された場合、5年後にはおおよそ以下のような資産になっていると見込まれます。
想定利回り | 5年後の資産額(概算) |
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3% | 約1,950万円 |
4% | 約2,020万円 |
5% | 約2,100万円 |
※年1回複利運用と仮定
ここでのポイントは、無理のない期間で一気に資産を構築し、その後に生活費として引き出していくというスタイルです。
5年で終わりじゃありません。運用はそのまま継続しながら、次の「引き出しフェーズ」へと移行していきます。
ステップ2:引き出しフェーズ 〜資産を取り崩しながら暮らす〜
さて、ここからが本番。運用しながら、毎月の生活費として10万円(年間120万円)を引き出すスタイルです。
この方法のポイントは、資産を一気に使い切るのではなく、できるだけ長く持たせること。その上で、3つのケースをシミュレーションしてみましょう。
● ケース1:標準パターン(利回り5%、引き出し月10万円)
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初期資産:2,100万円
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年間引き出し額:120万円
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想定利回り:5%
このパターンでは、資産を引き出しながらも、資産全体が増えていく可能性が高いです。運用益が年間100万円以上になるため、資産が減るどころか、徐々に増えていくという理想的な形です。
● ケース2:節約パターン(利回り3%、引き出し月10万円)
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初期資産:1,950万円
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年間引き出し額:120万円
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想定利回り:3%
この場合は、資産は少しずつ減少します。ですが、うまく運用できれば30年以上引き出し続けることも可能です。実際、年3%の利回りでも運用しながら取り崩せば、老後資金としては十分なパフォーマンスです。
● ケース3:高支出パターン(月15万円引き出し、利回り4%)
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年間引き出し額:180万円
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想定利回り:4%
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初期資産:2,000万円前後
この場合、25年程度で資産が尽きる計算になります。「余裕ある暮らし」をするには引き出し額が大きくなりがちですが、その分、資産寿命が短くなるので注意が必要です。
税金とNISAの影響:月10万円の引き出しが非課税になると?
引き出し時に気をつけたいのが税金の存在です。通常の口座で運用すると、売却益や分配金には約20%の税金がかかります。
たとえば月10万円引き出すには、
→ 実質的には月12.5万円分を売却しないと、手取りで10万円になりません。
これ、ちょっともったいないですよね。
でも、ここで活用したいのが 新NISA制度。2024年からの新しいNISAでは、非課税で運用・引き出しが可能。つまり、月10万円をそのまま引き出して使えるんです。
NISAの年間投資枠(つみたて投資枠と成長投資枠の合計)は最大360万円。今回の積立額(月30万円)にもぴったり収まります。
まとめとアドバイス:5年の積立が、将来の安心につながる
「eMAXIS Slim オールカントリー」を使った資産形成と、その後の引き出しによる生活費確保――これは、“攻めすぎない投資”でありながら、現実的に暮らしを支える選択肢です。
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積立:月30万円 × 5年 → 約2,000万円前後の資産に
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運用:利回り3〜5%を想定しつつ
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引き出し:月10万円の生活費を確保
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税制優遇:NISAを使えば非課税でさらに効率的
もちろん、「30万円も毎月積み立てられないよ!」という方は、無理のない金額に調整しながらも、運用期間を伸ばす・引き出し額を減らすなどで調整が可能です。
大切なのは、シミュレーションして「自分に合ったプラン」を立てること。ライフステージや家族構成、支出の変化に合わせて、定期的に見直しながら、焦らず資産を育てていきましょう。