もくじ
「現物株は何度も売買できない?」と感じる理由
デイトレードに興味を持つと、こんな疑問が浮かびます。
「現物株って、一日に何回も売買できるんだっけ?」「なんだかやりづらい気がする…」
実は、制度的に現物株でも1日に何度も売買はできます。
でも実際にやってみると、資金拘束やタイムラグのせいで、思ったように回転売買(同じ資金で何度も売買を繰り返すこと)ができません。
一方、信用取引ならこの制約がほとんどなく、1日何回でもスムーズに回転売買が可能です。
この記事では、信用取引がデイトレに必要な理由を、「回転売買の仕組み」を中心にわかりやすく解説します。
デイトレードとは?
まず基本から整理しましょう。
デイトレードは、1日のうちに売買を完了させる取引スタイルです。
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朝買って昼に売る
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下がると思えば先に売って(空売り)、後から買い戻す
こうした短期取引では、資金の回転効率がすべてと言っても過言ではありません。
現物取引の「資金拘束」で起きる不便さ
現物取引は制度上、同じ銘柄を複数回売買できます。
でも、いざやってみると2つの大きな壁があります。
1. 売却代金がすぐに現金にならない
現物株を売っても、売却代金は「受渡し日(約定から2営業日後)」に現金として確定します。
一部の証券会社では即時余力に反映される仕組み(当日受渡し枠)があっても、
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すぐに次の買付に使えない
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資金拘束で取引タイミングを逃す
ことが多いのが現実です。
2. 余力反映にタイムラグがある
「売ったお金がすぐ買付余力になるのでは?」と思いきや、
証券会社のシステムでは反映が数分~数十分遅れることが珍しくありません。
これが「現物では1日1回しか売買できない気がする」と感じる最大の原因です。
信用取引なら回転売買がスムーズな理由
信用取引はお金や株を借りて売買する仕組みです。
これによって、回転売買がスムーズになる理由は大きく3つあります。
1. 資金が拘束されない
信用取引は「証券会社の与信(信用力)で取引する」ため、
取引後すぐに建玉の余力が戻り、次の取引に使えます。
つまり、同じ資金で
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朝買う→売る→昼にまた買う→また売る
といった動きを何度も繰り返せるのです。
現物ではこれができず、信用取引なら当たり前のように回転が可能です。
2. レバレッジで取引額を増やせる
信用口座を使うと、自分の資金の約3倍まで取引が可能です。
例:
自己資金100万円 → 最大300万円分の回転売買
このレバレッジが、
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小さな値幅でも利益を積み上げる
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複数銘柄を同時に取引する
ための強力な武器になります。
3. 空売りも同じ資金で可能
信用取引のもう一つの魅力は空売りです。
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上がると思えば買い(買建)
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下がると思えば売り(売建)
どちらも同じ資金で行えるため、
1日の中で上げ下げ両方を狙う回転売買ができるのがポイントです。
デイトレで信用取引を使うメリット
まとめると、デイトレードにおいて信用取引を使う主なメリットは次の通りです。
✅ 資金効率が圧倒的に高い
→ 拘束がないので何度でも売買を繰り返せる
✅ レバレッジで少額から大きな取引ができる
✅ 空売りで下落局面でも利益を狙える
✅ 1銘柄でも複数銘柄でも自在に回転売買できる
この4つは、現物取引ではなかなか実現できない部分です。
信用取引の注意点とリスク
便利さの裏には、当然リスクもあります。
● レバレッジで損失も大きい
利益が3倍なら、損失も3倍です。
損切りを徹底しないと、資金があっという間に吹き飛びます。
● 追証(追加保証金)が発生する
評価損が一定以上になると、追加の保証金(追証)を入れる義務が発生します。
これに対応できないと強制決済(ロスカット)されるので注意が必要です。
● 空売りの逆日歩(品貸料)
空売りには逆日歩(ぎゃくひぶ)というコストがかかる場合があります。
人気銘柄ほど発生しやすいので事前確認を忘れずに。
まとめとアドバイス
デイトレードをやるなら、信用取引の活用はほぼ必須です。
「同じ銘柄を1日に何度も取引する」「複数銘柄を資金効率よく回す」
この2つを実現するには、信用取引の仕組みが欠かせません。
ただし、リスク管理なしで手を出すのはとても危険です。
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最初は少額で試す
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損切りルールを守る
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資金管理を徹底する
この3つを忘れずに、一歩ずつ経験を積んでいきましょう。