株式投資の世界には、信用取引というものがあります。
株式投資を行っている人からしたら、当たり前の用語だと思いますし、意味も熟知していることでしょう。
しかし、これから株式投資を始めようとしている初心者の多くは、
「信用取引って何?」
と思っているはずです。
そこでこの記事では、株の信用取引とは一体何なのか、リスクやメリット、デメリットはあるのかということについて、詳しく解説していきます。
株の信用取引って一体何?
株の信用取引というのは、簡単に言うと、証券会社から現金もしくは株式を借りて、投資をするというスタイルです。
一方、自分の持っている現金や株式を駆使して行う投資を、現物取引と言います。
ただ、誰でも簡単に証券会社から株や現金を借りられるというわけではありません。
自分の持っている現金、もしくは株の一部を証券会社に預け、その信用度に応じて現金若しくは株を借りることができるのです。
基本的に、自分が担保にした現金、もしくは株式の3.3倍までであれば、証券会社から借り入れることができます。
イメージとしてはFXのレバレッジ取引と非常に似ています。
株の信用取引のメリット
では、株の信用取引を行うメリットとは一体何なのでしょうか。
資金が少なくても大きな利益を得られる
まずは資金が少なくても大きな利益を得られるということです。
先ほども解説したように、信用取引というのは、自分が預けた株、もしくは現金の3.3倍までであれば借り入れることができます。
そのため、経済的な力がない人でも、ある程度大きな取引を行うことができるのです。
空売りができるようになる
信用取引を行うと、株の空売りができるようになります。
空売りというのは、株を保有していない状態で、売りから入るという投資スタイルです。
そして、相場が更に下落した段階で、買い戻すことで差額を利益として得ることができるのです。
ただ、この空売りというのは、現物取引では行うことができません。
つまり、現物取引の場合は「買い」でしか入ることができないのですが、信用取引を行うことで、「売り」の状態でスタートすることも可能になるのです。
株の信用取引のデメリットは?
では、株の信用取引のデメリットとは一体何なのでしょうか。
大きな損失が出る可能性がある
まずは大きな損失が出る可能性があるということです。
信用取引というのは、先ほども解説したように、自分の持っている力以上の取引を行うことができてしまいます。
そのため、上手くいけば人のお金、もしくは株式で大きく儲けることができます。
しかし、失敗してしまうと、人からお金もしくは株式を借りているため、その分を返済しなければならなくなってしまいます。
仮に口座残高がマイナスになると、「追証」と言って、証券口座に追加でお金を入金し、証券会社に返済をしなければならなくなります。
借金を背負う羽目になることもある
株式投資というのは、現物取引であれば資金が0になる以上のリスクはありません。
つまり、資産がマイナスになることがないということです。
しかし、信用取引を行うと、自分の資産がマイナスになる可能性があり、ストレートに言えば、借金を背負う羽目になる場合があるのです。
株の信用取引でよくある失敗事例
信用取引には、メリットもありますし、デメリットもあります。
初心者にはあまりおすすめできない方法ですが、正しい方法で行えば、しっかりと利益を残すことができるのです。
では、これから株の信用取引を始めようとしている人のために、初心者が良くやりがちな信用取引での失敗について、詳しく解説していきます。
状況が一瞬にして変わった
まずは状況が一瞬にして変わったということです。
どれだけ市場を分析し、その銘柄について調べ上げたとしても、急に状況が変わることがあります。
信用取引を行う前に状況が変わり、ブレーキを効かせられれば一番いいのですが、株式投資というのはそう簡単な世界ではありません。
そのため、信用取引で株を購入した後に状況が変わると、それまで含み益が出ていたものが、一気に含み損へと変わってしまう可能性があるのです。
「間違いない」という過信から一文無しになった
株式投資の世界で、100%というのは存在しません。
しかし、信用取引でちょっと利益を出したり、空売りがうまく行ったりすると、
「才能があるのかも」
「分析が正しいんだ」
と自分の力を過信してしまうようになります。
そうなってしまうと、一気に一文無しになってしまう可能性がありますので、注意しましょう。
まとめ
自分の持っている現金、もしくは株式を使って投資をする事を、現物取引と言います。
一方、自分が持っている現金、もしくは株式を証券会社に預け、レバレッジを効かせた投資をする事を信用取引というのです。
信用取引を行うと、自分が持っている力以上の取引ができますし、空売りから入ることもできます。
しかし、資金を大幅に減らしてしまう、追証のリスクがあるというデメリットもありますので、慎重に行うことをおすすめします。
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